私は常に、見えない力を信じてきた。そういうものとつながっていると感じるし、これまで私を助けてきてくれたと思う。たとえ愛する人が亡くなっても、その人にかなり長いあいだ護られていると信じている。自分の周りにその人の存在を感じるし、お互いに助け合いもする。私はジャン・ノエルが亡くなったあと、何カ月も私と一緒にいてくれるように感じていた。ある時、友達が言った。「彼がいなくなったら、その時はわかるわよ」と。そのとおり、私にはわかった。そして、彼がもういなくなっても大丈夫だと思った。その時が来たとわかったのだ。
オスカーのあと、私はすべての仕事を断って休みを取った。そして半年をかけて起こったことをすべて受け入れた。8月になってから、また元通りの生活に戻り、仕事に復帰した。私には仕事をする必要があったし、自分はまだ元気な人間なのだと思い出させてくれる警鐘にもなった。気をつけていないと、また恐怖が忍び寄ってくるのがわかっていた。この世のどこかで待っているその恐怖に常に立ち向かっていかなくてはならない。でなければ、光は消えてしまう。
By Harper’s BAZAAR June 2017
シャーロット ランプリング