外宮にて。
車を降りる直前まで雨が降っていたみたいでした。
薄日が差して氣出す。
御神木たちがさらに膨らみ息吹を吹き掛けてくれる。
もちろん常にそうなんでしょうけど神氣満ち満ちて。
しかし荒魂がおわすとはつゆ知らず。
ただただ氣に圧倒される。
圧倒的なのにふわりと優しく包み込むという。
私はまるで小さなハムスターになった気分だった。
巨大なあたたかい両手にふわりと優しく掬われて。
掬われて一瞬、びっくりするんだけど、すぐさま「あ。大丈夫なんだ…」「あたたかい寝床もあたたかい食事も安全な棲み家も大丈夫。ぜんぶしつらえてくれてるんだ…」
というように。
実際、湿り気を帯びたあたたかい優しい風が何度も頭を撫でてくれた。
笑い事でなく。
私はしあわせなハムスターであることを認識する。
私は安心して自分の為すことを為せばよいのだ。
セーフティはしっかりあるのだ、と。
しかし豊受さまからしたら、ぜんぶがかわいい和が子であるということを、このあと、二見浦にて、まざまざと知らされるのでした。
どんなにひどい仕打ちを、他の命に対して、している者さえも。
そしてそれは私も含まれている。これを読んでいるあなたも。