12月なのに木枯らしも吹かず、冬でもなく秋でもなく、むろん夏でも春でもない。
陽射し強く湿気を孕んだ生暖かい南からの強風に紅葉が舞う。一瞬だけ陽射し眩しい狐の嫁入りの雨。
不思議な日。
奥の院のお詣りを済ませましたら凄まじい強風がびゅうと吹きました。見知らぬご婦人がすれ違い様に「頭に木の葉が乗ってますよ」と教えて下さいました。クスクス嬉しそうに。
なんで笑ってたんだろ…って化け損ねた間抜けな狐のコントっぽかったのか?
ってそのご婦人が人間に化けてたりしてな。
ってお互い思ってたりしてな。
ここに来ると穏やかでファニーな気持ちになるばかりで幸せだ。
ちなみに以前私に道を訊ねてきた例の流浪のカップル眷属は今無事にここに落ち着いている。