音量マックスでお聞きください。
オカリナを吹いている方がおられましたよ。
夕やけ小やけの あかとんぼ 負はれて見たのは いつの日か
山の畑の 桑の実を小籠につんだは まぼろしか
十五で ねえやは嫁にゆき お里のたよりもたえはてた
夕やけ小やけの赤とんぼ
とまっているよ 竿の先
高い高い秋の空に沁み渡っておりました。
私は泣きそうになるのを誤魔化して、ふいと横を向くとRさんも同じように誤魔化しておりました。
ふたりでばつが悪そうにしんみり苦笑い合う、よき日でございました。
「あ、先生、あそこのカフェでおいしいものでも食べましょ?」
と苦笑いしながら参道内にあるお店を指さし潤む目を誤魔化し、そうおっしゃるRさんでした。